ご尊家のご先祖様と亡くなられた霊に対して心から御冥福を お祈り申し上げます。人間の生命は地球の重さより重いとも言われます。尊い生命なるがゆえ、私達は真心をもって、ご奉仕と供養の精神で墓所造りに お応えしたいと存じております。
■供養について
今、日本が経済大国といわれ恵まれた生活環境の中で、毎日を送っていると思いますが、その恩恵はご先祖様のお陰であると言っても過言ではないと思います。
ご先祖様をうやまい感謝し、真心をもったその気持ちを『かたちに現わし実行する』事が供養であると思います。
日常では亡くなった祖霊の位牌を仏壇に安置し、朝夕の礼拝、命日の法要、お盆、お彼岸、祥月命日には寺院へお参りし、お坊さんにお経をあげてもらい、お墓に供物やお花を供え、お塔婆を立て霊の冥福を祈ります。
造塔供養はお墓を建立する事です。お墓は祖霊永眠の聖場であり、私達との魂の触合いの場所であり、又 一族永久の『 きずな 』の場所でもあります。
お墓を建て、お参りするのは、心の安らぎに満たされ 明日への生活の糧となります。
■戒名
戒名は法号、法名とも言いますが宗派によって違います。戒名は亡くなった時お坊さんにつけて頂く仏名です。戒名では男を居士、信士、女には大姉、信女、子供には童子、童女、赤ん坊には孩児、孩女などの位号をつけます。宗派により戒名は異なります。又は容易に改名できませんので、戒名をつけてもらう時はよくお坊さんと相談してつけてもらいます。
■忌日と法要(追善供養)
忌中
人は亡くなってから四十九日の間に次の生をうけて生まれ変わると言われます。この間を忌中、中陰、中有と言います。忌中の間は己を戒め、七日毎に追善供養をし霊の成仏を祈ります。四十九日の忌明けまで七日毎にお坊さんにお経をあげてもらい、お線香やローソクの灯を絶やさぬようにします。
■四十九日と三十五日
四十九日は亡くなった人の霊が家を離れるといわれます。施主が忌明けの法事と、埋葬(納骨式)を兼ねて行います。三十五日に忌明けの法事と納骨式を行う所が多いようです。
法要はお坊さんにお布施をし、読経や法話をしてもらい、納骨を済ませて参詣者やお世話になった方にふるまいをし、労をねぎらい 志としてお返しをします。又、この日で祭壇を片づけます。
■孟蘭盆会(うらぼんえ)
お盆
お盆は七月十五日と八月十五日(旧盆地方)を中心に行われます。お盆は中国から伝来した行事で、供養と布施行を行う事を根本にしています。十三日に迎え火を焚いて精霊を迎え、仏前に供物を供え霊をもてなし お坊さんにお経をあげてもらい、お墓参りをして祖先の冥福を祈ります。又、十六日には送り火を焚き精霊流しを行います。亡くなって七七日(四十九日)が過ぎて初めて回ってきたお盆を初盆とか新盆といいます。
お彼岸
春分の日と秋分の日を中日として、前後三日間の一週間をお彼岸といい仏教の考え方に由来するものです。彼岸は文字通り川を隔てた向こう岸で仏の住む浄土の世界です。その彼岸に対して反対にこちら側の岸を此岸といい、私達衆生の住む裟婆世界です。彼岸に行われる法要を彼岸会といいお墓参りをして成仏と冥福を祈ります。
祥月命日
亡くなった人の一年に一度必ず巡って来る同じ月日の命日を祥月命日といいます。この日はお墓参りをして故人の冥福を祈ります。
■お墓のきまり
お墓は個人のものであっても 公共性があり、私達の生活に係っています。お墓についてのきまりがありますので、ここでは埋葬、改葬について簡単にご説明致します。埋葬は死体を土中に葬る事、火葬は焼骨にしますが、いづれも死後二十四時間を経過しなければなりません。埋葬や焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域で行ってはいけません。埋葬、火葬、改葬を行おうとする者は、市町村長の許可を受けなければなりません。許可証の交付は、先ず初めに市町村長に申請書を提出しこれを受ける事になります。(これらの用紙は市町村役場に備え付けられています。)
■改葬、お墓の移転
届出は市町村長へ移転先の墓地受入証明をとり、改葬許可申請書とをあわせて提出して許可を受けます。お墓を移転する時は今迄お世話になった菩提寺に挨拶し、墓地に手を入れる時にはお坊さんにお経をあげてもらいます。墓石の処理や移動についてはお坊さんや石材店、管理者によく相談する事が肝要です。菩提寺に永い間霊の供養をしていただいたお礼にお布施として感謝の気持を表わします。
■永代使用料と管理費
お墓を買ったとよく言いますが、墓地は売り物ではなく、寺院墓地も霊園墓地も、子孫代々に渡りその場所を永代使用する墓地の使用料です。代々その場所(墓地)を使用するので永代使用料といいます。又、お墓を管理し維持してゆく為に年間管理費を払います。お寺さんではつけとどけとも言います。長い間管理費を滞納し長期間連絡がない場合は、無縁墓地として法令的にも整理されますので先祖供養の為にも、お墓をきれいに掃除し、お墓参りを欠かさないように努めましょう。管理費やつけとどけは、寺院や霊園の最少限の維持費です。
■開眼供養
お墓を建てたらなるべく早く良い日を選んで開眼供養(入魂式)を行います。お坊さんにお経をあげてもらい、仏の霊を迎え入れ生身の仏塔として供養できるお墓にいたします。
寿陵
生前に墓を建てる事を寿陵といい、縁起がよく長生きをして家運繁栄を招くとされています。奈良時代仁徳天皇陵や聖徳太子も寿陵を建てたといわれています。現代でも良い習慣として続いて居り、家運繁栄を願って生前のお墓を建立する人が多くなっています。
■水子供養
水子とは不幸にしてこの世に生を授けず親の愛も薄くして流産した死児とか堕体死児のことで、葬儀もされずそのままになっているのを、水子地蔵を立て水子の供養をしたり、お寺の水子地蔵尊で供養をしてもらいます。地蔵菩薩は幼い水子の霊を浄土へ往生する為に、導いてくださいます。